ケミィ(旅行好きウーバーイーツ横浜配達員)のブログ

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ウーバーイーツの開業届、青色申告はどうやるの?55万円控除の為に。

Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達員は、企業と雇用契約を結ばない個人事業主です。

払われた報酬、支払った経費は帳簿に記帳し、領収書等の証憑を保管し、決算をして確定申告を行う必要があります。

個人事業主で仕事を始めるにあたって、開業届を出さないといけないかというと、別に出さないで仕事をして、報酬を貰っても何も問題ありません。

(開業届と青色申告承認申請書の提出方法は最後の方に出てきます。時間無い方は途中飛ばして下さい)

 

問題になるのは、その報酬に基づいて、確定申告を行わず、納税をしなかった場合です。

 〇開業届を出さなかったが、確定申告はした

 ×開業届を出さず、確定申告もしなかった

 

パート、アルバイトは雇用契約を結びますので、給料から所得税源泉徴収(いわば前払い天引き)され、会社がやってくれる年末調整で所得税が確定、源泉徴収が確定税額より多かった分が戻ってきます。

その時に、所得計算上、給与所得控除という最低でも55万円(令和元年までは65万円)から収入に応じて段階的、自動的に控除される、いわば経費に相当する金額が引かれ、税金が安くなりますが、個人事業主はその55万円が全くありません。

 

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例えば100万円を稼いで、経費が10万円だったとすると

 <給与所得者>

  収入100万円-給与所得控除55万円=給与所得45万円

   ※給与所得控除の計算式はhttps://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1410.htm国税庁HP)

 <事業所得者>

  収入100万円-経費10万円=事業所得90万円

 

給与所得の場合は経費がいくらかかろうが、給与所得控除の計算で算出された金額が原則、控除となります。(例外、特定支出控除)

事業所得は掛かった経費の分しか収入から控除されません。

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このままですと、個人事業主が圧倒的に不利になる事から、青色申告承認申請書を税務署に提出し、正規の簿記の原則に従った複式簿記による帳簿を作成し、損益計算書貸借対照表を確定申告で提出すれば55万円、それ以外は10万円の特別控除を受ける事が出来ます。

そうすると、先ほどの比較例が下の通りになります。

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例えば100万円を稼いで、経費が10万円、個人事業主青色申告(複式簿記)だったとすると

 <給与所得者>

  収入100万円-給与所得控除55万円=給与所得45万円

 <事業所得者>

  収入100万円-経費10万円-青色申告特別控除55万円事業所得35万円

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事業所得の方が安くなっちゃいましたね。さらに、電子申告をした場合、特別控除を10万円上乗せして、65万円に今年から出来る事になり、さらにお得です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm国税庁HP)

 

という事で、青色申告をして特別控除を受けないと大損という事がわかりますね。

ただ、日商簿記3級レベルの知識が必要で、全くわからない方は税理士に委任や青色申告会に相談等を検討して下さい。私のブログでウーバーイーツ配達員向けの簿記について記事がありますので、そちらも参考まで。

 

開業届、青色申告承認申請書はどこに出すの?

 →住所地の税務署に提出します。

  https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm国税庁HP)

  こちらで管轄の税務署を調べて下さい。

 

開業届、青色申告承認申請書の提出期限は?

 →青色申告承認申請書は原則事業開始から二ヶ月以内、切替の場合は3/15まで

  開業届は事業開始から一月以内

 開業届と青色申告承認申請書、セットで開業から一ヶ月以内に税務署に提出するのが良さそうですね。

 

開業届、青色申告承認申請書の用紙はどこにあるの?

 →全国の税務署に各種届出用紙が置いてありますので、総合案内もしくは所得税担当(個人事業部門)へ。

  また、国税庁HPに用紙がPDFでダウンロードできますので、そちらを印刷でもOK

 <開業届>

  https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

 <青色申告承認申請書>

  https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

 

開業届、青色申告承認申請書の書き方は?

 あくまで私が税務署に提出した際の記入例で、提出する方によっては異なる場合がありますので、詳しくは税務署にお尋ね下さい。

 

 <開業届の記入例>

 

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開業届記入例

 ここで、「屋号」ですが、ご自分の考えた名称、いわば会社名を登録する事ができます。「○○配送」とか、「○○デリバリー」等々。ただ、税務署からの郵送物に名前の上に印刷されますので、無しでもOK。銀行で事業専用の口座作る際にはこの屋号となります。事業の内容はざっくりで構わないかと。

本当は飲食店からの発注をウーバーイーツのシステムを利用して受注していますが、ウーバーイーツから配達報酬を受けているので、上記の例の様に記入するのが無難だと思います。

 

 

 <青色申告承認申請書の記入例>

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青色申告承認申請書の記入例

 ここで大体の方が困るのが、備え付け帳簿。要不要の理由は

 現金出納帳・・・現金決済を全く行わない、現金勘定が出ないなら不要。

        現金扱いONにするなら必ず必要。

 売 掛 帳・・・配達報酬は原則、後日ウーバーイーツから振り込まれる為必要

 買 掛 帳・・・仕入れが無いので不要。商品は預かるだけなので。

 経 費 帳・・・仕訳帳で入力、総勘定元帳で出力されるので不要。

 固定資産台帳・・・30万円を超える備品が複数あるなら必要。

         不要にしておいても、決算書の減価償却資産に記載します。

 預金出納帳・・・事業専用で銀行口座を使用するなら必要。

 手形記入帳・・・ウーバーイーツ配達員で手形発行できる人、いるかな?

        約束手形を発行するなら支払期日管理で絶対必要。

 債権債務記入帳・・・?聞いた事ないです。

 総勘定元帳・・・絶対必須。会計ソフトは仕訳入力すると自動的に作成されます。

 仕 訳 帳・・・絶対必須。入金伝票、出金伝票、振替伝票を作成せず仕訳帳でまとめられます。

 入金 伝票・・・現金取引での現金回収はFLEETで見れます。わざわざ伝票作成せず仕訳帳でOK。

 出金 伝票・・・不要ですが、領収書の出ない交通費等は証拠として一部作成はします。

 振替 伝票・・・仕訳帳に直接記入でOK

 現金式簡易帳簿・・・おこずかい帳みたいな帳簿、複式簿記では使いません。

 

 と、ずらずら書きましたが、正直、人によって絶対に変わります。前の会社では旧態依然な会計処理が続き、入金伝票、出金伝票、振替伝票は手書きで必須でした。しかし、各支店の規模が大きく、支店数も多い事から、PCから出力する方式、ただ、改ざん、不正を嫌う会社だったので、金額欄は必ず手書きで業務の簡略化をしました。

 簡略化しても真実性の原則が歪まないのであれば、全然問題ないと私は考えます。

 

いかがでしたか?

青色申告特別控除は必ず受けて支払う税金を出来るだけ少なくしたいですね。その効果は所得税のみならず、住民税、国民健康保険料(税)にも影響しますから。

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